エピレーシック

エピレーシック(Epi-LASIK)は、角膜フラップを作成LASIKと同じですが、角膜フラップの
厚さが異なります。
ケラトームというさらに特殊な器具を用いて、角膜上皮をボーマン膜の直上で機械的に
鈍敵に剥離(刃で切開するのではないためより安全といえます)し、角膜上皮のみを
角膜フラップとして使用するという方法です。従って角膜フラップをさらに薄くする
ことが可能です。また剥離された角膜上皮シートは正常な細胞で構成されているので、
そのまま角膜ベットを覆い生着していくことになります。

・エピレーシック(Epi-LASIK)のメリット
角膜フラップを薄く作る事ができるということは、もともと角膜が薄い患者や
強度の近視に対しても手術の適応が拡大します。

・他の手術方法との比較
レーシック(LASIK)は角膜フラップを角膜実質つまり角膜の中間位置で作成するので、
レーザーを照射したとの角膜ベットが十分な厚さで残さないと体の強度が少なくなります。
術後に角膜が極端に薄くなると角膜が前方に突出してきて近視に戻ってくる可能性があり、
角膜が薄いとか近視度数が強い場合にはLASIKが不可能なことがあります。また格闘技を
趣味にされる方などは角膜の強度を十分に維持しなければなりませんのでPRKや
LASIKなどの方法を選択していました。

PRKは角膜表面からレーザーを照射しますから術後の角膜の厚みはLASIKより
厚くなります。したがって角膜の強度は十分に確保されますから強度の近視や
角膜が薄い患者も適応とすることができました。しかし視力の回復が遅れたりまた、
術後3ヶ月あるいは半年以上経過した時点で軽い近視に戻る率がASIKと比較して
やや高いこと、またヘイズといってレーザーを照射した角膜部分が術後に混濁する例が
僅かにあり、その発生が事前に予測できないという問題点がありました。

LASEK(ラーゼック)は角膜上皮をアルコールで膨化させてボーマン膜と角膜上皮との
接着力を弱め、膨化した角膜上皮をシート状に剥離して角膜フラップとして使用する方法です。
角膜上皮のみを薄く剥離できますから基本的にはPRKと同様の手術方法といえます。
しかし角膜上皮はアルコールによって死滅した細胞で覆われることになりますから、
その細胞が正常細胞に置き換わるまでは痛みがあったり視力の回復が遅れたり、
という問題点があります。Epi-LASIKで作成した角膜上皮シートは正常細胞ですから
術後にはそのまま生着するという違いがあります。

Epi-LASIKのデメリット
Epi-LASIKでは角膜上皮をシート状に剥離し、死滅していない正常細胞がレーザー
照射面を覆う事になります。角膜上皮は正常でも約一週間で入れ代わり
(turn overといいます)ますが、その間、角膜表面は粗造となりますから、痛みが
生じたり、また視力の回復が遅れるのはやむを得ません。

・視力の変化
LASIK、PRK、Epi-LASIKの簡単な視力の変化を図に示しました。LASIKは術後翌日から
比較的良好な視力の回復が普通で、殆どの患者さんは手術翌日には1.0あるいは
1.2以上の裸眼視力を獲得できます。視力の安定は約1週間で可能です。その後長期で
みると若干近視へ戻る例もありますが、1.2以上の裸眼視力を獲得出来る確立は97〜98%といってよいです。
PRKは手術直後には角膜中央にレーザー照射による傷がありますから、その傷が修復するまでは
視力の回復が遅れます。裸眼視力が1.2以上に回復するのに概ね3〜5日、裸眼視力が
安定するのに1週間から3週間程度が必要です。術後1ヶ月から半年するとHazeの発生する
例や僅かに近視に戻る例があり、長期に見た場合1.2以上の裸眼視力を獲得する確率は
約90%程度で、LASIKより低くなります。このことが、可能な限りはPRKよりLASIKを選択する一番の理由です。
Epi-LASIKは術後早い時期での視力回復はLASIK、PRKと比較してもっとも遅れます。
角膜表面は正常角膜上皮のシートで覆われていますが、完全にシートが生着するのは
時間が掛かるためで、1.2以上に裸眼視力が回復するのは1週間から2週間、視力が
安定するのに1ヶ月程度は必要です。しかしPRKのような近視への戻りやHazeはなく、
長期の視力経過では僅かに近視への戻りはありますが、ほぼLASIKと同様な視力結果で、
1.2以上の裸眼視力を獲得出来る確率は97〜98%といってよいです。

・Epi-LASIKについて
Epi-LASIKという新しい方法は、LASIKでは手術不可能だった強度近視あるいは角膜の
薄い症例にも手術適応が拡大されたといえます。またPRKあるいはLASIKと比べると、
正常角膜上皮でシート状に照射面を覆うために、より正常の眼球形態を保つことができます。
近視への戻りやHazeの発生はPRKと比べても少なく、長期の視力安定性はLASIKと
ほぼ同等といえると思います。
もちろん、早期の視力回復においてPRKやLASIKに劣る点があるのは事実ですが個々の
患者さんの状況に応じて最適な手術方法を選択することによって、最高の視力結果を
得られるように考える必要があると思います。


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